ワンルームマンション税
先週、東京・新潟と、大都市の委員会(大都市行財政制度に関する特別委員会・・・・ネットで調べて名前を確認しました。。名前が正確に言える人、少ないかも。。笑)で視察に行ってきました。
東京では、豊島区区役所で、「豊島区狭小住戸集合住宅税」いわゆる、ワンルームマンションを対象にした税制度について調査を行ってきました。
以下、区役所で説明を受けた内容です。
〇豊島区には、池袋駅周辺の繁華街と、住宅街があり、区内の4割は、木造家屋の密集地。
〇戦後、駅周辺は区画整理されたが、郊外はされずに農道沿いに住戸が建てられた。
〇区と都が共同で木造密集地の解消に取り組んでいるところ。
〇人口は、H25年1月現在で26万8959人。人口密度は2万人/km2で、神戸の7倍になる。
〇一般会計は1000億円規模。
〇豊島区は、交通利便性が高く、5社9路線が乗り入れする。路面電車も併せると30以上の駅があり、10分歩けばどこかの駅に到達するという便利さ。
〇池袋駅は、新宿についで全国2位の乗客数を持つ。
〇立教大学をはじめ、大学や専門学校が多く、ワンルームマンションの需要が高い。
〇独自の財源はすべて都にいき、23区にはない。都区財政調整制度によって調整される。
〇足立区など、財源の少ないところには必要。
〇12万5000戸の住宅の4割が30m2未満である。
〇借家が6割で、持家率が低い。
〇持家の5万戸のうちの8割はマンションとなる。
〇単身世帯の比率も6割と高い。
〇こうした背景から、
・居住水準の低下
・定住性の低下
につながることが懸念される。
〇借家の人たちはどんどん入れ替わってしまう。
〇一方、平成12年に「地方分権一括法」が施行され、「地方税法」も改正された。これにより、「法定外税」の導入がしやすくなった。
〇これをうけ、若手職員でチームを作って検討会を立ち上げ、専門のチームで法定外税をの導入を検討した。
〇その結果、次の2点が挙げられた。
・ワンルームマンションへの課税
・放置自転車税
〇このうち、放置自転車税については、課税後、H17年にJRが4000台分の土地を取得し、駐輪場を整備するなどの動きがあり、H18年に廃止になる。
〇例えば江東区ではファミリーマンションが増えすぎて小学校の建設が間に合わないことから、ファミリーマンションにも協力税として課税している。
〇ワンルームマンション税は、当初、3F以上、25m2以下で考えていたが、目的は建築抑制であるため、階数は関連なくして、広さは、条例の「狭小住戸」の定義に沿って30m2とした。(当初の定義は29m2)
〇当初の制限税率の上限が2.1%であったので、固定資産税1.4%が2.1%になったとすると、大体1戸あたり50万円となるので、1戸50万円とした。
〇目的は、ワンルームマンションの比率を下げること。
〇導入に際し、建築関連の業界から、家賃に転嫁されるのではないかなどの反対の声もあったが、区民は賛成が多く、区民への説明会から審議を経てH16年度から導入の運び。
〇30m2以下のワンルームマンションの建築抑制の効果は出ている。30〜35m2が増えていることもあるが、ファミリーマンションの建築数は増加している。
垂水区と比較すると、
<垂水区>
人口 225,612人
世帯数 102,689世帯
面積 26.83km2
<豊島区>
人口 268,959人
世帯数 161,197世帯
面積 8.2494km2
となります。
垂水区の1/3くらいの面積の土地に垂水区よりも4万人くらい多い人が住んでいますね。
垂水区は山も農地も少し残っていますが、それでもほとんどが住宅地です。
それから考えると如何に人口密度が高いかが想像できます。
ワンルームマンション税の導入の背景には、抑制して、ファミリーマンションを増やいたいという目的がありますが、地区計画で規制をかけると、急激にに地下を下げてしまうというデメリットがあるため、ゆるやかな抑制ができるこの方法が選択されました。
税収増が目的ではないので、集められた税は住宅の基金に貯められ、ファミリー世帯の家賃補助などに使われているということでした。
ちなみに垂水区の高齢化率は25.6%で、高齢者単身世帯も増えていますが、豊島区の高齢化率は、意外と多くて20%くらいとか。神戸市でいうと、東灘区くらいです。
(ちなみに東灘区は、多子高齢化と言われています。)
〜神戸市の状況〜
東京も高齢化が進んできているのでしょうか。