東南アジア視察(バンコク)
シンガポールから空路バンコクに移動。バンコクから車で1時間ほど移動した郊外の工業団地の中にある山下ワークスさんを訪問しました。山下ワークスさんは、尼崎に本社がある、金型及び部品の製造・加工や自社開発による自動鏡面加工装置(AERO LAP)を製造販売する会社で、7年前にタイに現地法人を設立されました。
現地法人の社長は、尼崎本社の社長の息子さん、いわゆる2代目になりますが、社長がタイに進出を決めてからタイに渡り、タイ語を習得されたという、つわもの。現地は、日本人従業員が2名のほかはタイ人28名だそうですが、日本人1名が産休を取られるため、2代目社長は急きょ日本から戻ってきて切り盛りされていました。説明も案内もすべて社長さんに対応していただきました。(どうもありがとうございました。)
まず、社長さんから切り出されたのがタイのBOI制度に関してです。外国投資を進めるためのタイの制度で、法人税や設備に用いる機械の輸入税などが還付されるなどの制度。ところが、税務署でもなかなか税が還付されずに、何度も食事の接待をしたとか。。。
工業団地は、タイのローカル企業がほとんど。どろぼうに入られてマイクロ検査器具などが盗難の被害に遭ったために急きょ、柵を作ったそうです。
タイでの最低賃金は、日給300バーツ。(1バーツ¥3くらい)社会保険等もあるが、使える病院は限定される。1年に30日の病気休暇があり、有給休暇は6日。BOIは9年で期限が切れる。
工場見学もさせていただきました。自動車の部品などを製造する際の穴あけ用の道具類(ピン・ポンチ)の製造工場や、AERO LAPという鏡面仕上げのできる表面研磨機での実演もデモしていただきました。(写真は、デモで¥500硬貨を磨いてくれた工場の従業員のお嬢さんです。)
洪水被害はバンコクはほとんどなく、また、被害のあった地域もほとんど復活しているようでした。タイでの自動車生産が洪水前に戻っているために、お仕事も順調なようです。立ち上げ当初は、資金繰りや現地の商習慣など、ご苦労されたようですが。
タイ語を習得して現地で頑張られている気骨のある方なのですが、とても気さくで親切なお人柄でした。2代目社長さんを育てられた日本の社長さんにも会ってみたいなあ、、と思いました。