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札幌市水道記念館・藻岩浄水場水力発電所

3日目は札幌市にある藻岩浄水場・水道記念館に調査に行きました。
(レポートに書いたものをそのまま使わせていただきます)

(1)水道記念館
<斉藤館長より説明>
・H19年にリニューアル工事 土木遺産に指定されている。
・H21年には景観資産に指定された。水道局としても残していきたい。
・環境教育施設として、市内の小学校4年生が授業に訪館する。(年間100校)
・設備は、地下2階、地上3階、5000m2(うち記念館は3000m2)
・リニューアル工事に6.4億円+体験型展示への改装工事5.3億円 合計11.7億円
・キッズルームを設けたり、水の図書館を設置して絵本を集めるなど、子ども連れで来館できる工夫。
・浄水場の見学ツアーは平日2回、土日は4回。一般の来館者+小学生で、上限が60名。
・ファミリー向けのイベントをいろいろ企画している。
・管理運営は、一般財団法人 水道サービス協会が担当。受託料は¥1800万/年
・老朽化に伴う更新工事などは水道局が行う。
・来館者数5万人を目標値に設置して管理受託していたが、来館者数が増えたため、目標値も9万人に上がった。(H19 6.9万人、H20 7.3万人、H21 6.6万人
 H22 9.2万人 H23 9.4万人)
・H22年にマスコミに取り上げられてから、道内からも来館する人が増えた。
・キャラクターショーのイベントを企画したら、車があふれて、警察から注意を受けたので、以後、やめることに。
・水道の重要性や水の大循環をテーマに展示している。
・計画停電の場合は、閉館になる可能性もある。
・節電は、噴水を時間短縮するなど、取り組んでいる。
・4月から、サービス協会は一般財団になった。
・入館料は無料。

<見学>
 浄水の実験など、体験型の展示が多く、子ども連れが家族で楽しめるような工夫が各所に施されていた。案内担当として、女性の臨時職員に一緒に回ってもらったが、きちんと教育を受けていて、親しみやすかった。展示のリニューアルには高額の費用がかけられているが、入館料無料ということもあって見学者も多く、水道の重要性や水の循環というテーマを、多数の人に伝えられているのではないかと感じた。
記念館前の広場は、小さい子どもさんを連れてゆっくり遊べるようになっていて、人でにぎわっていた。

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(2)藻岩浄水場・水力発電設備
<本射場長より説明>
・札幌の水は、95%を豊平川から取水しており、藻岩で約2割、白川で8割の浄水を実施。
・水力発電の設備を設置したきっかけは、北方都市会議で、ポートランドが取水ダムの落差を利用した水力発電を行っている紹介があったことから。
・取水部と浄水部で60mの落差があり、有効利用を考えた。
・S59年にクロスフロー水車方式で開始された。初代のものはH13年に運転停止となった。
・その後、沈殿効率を上げるために、着水線を上げる必要があり、初代の方式ではレベルが足りなくなる。
・着水のレベルが高くても管路のまま送水できる、フランシス水車の方式を用いて再開することを検討。
・ダム水路主任技術者の資格がいることなど、一般部局と人事交流が頻繁な水道局直営では技術者を抱えることが困難と判断。
・発電事業にあたっては、直営方式より共同事業方式がよいと判断し、ほくでんエナジー(株)と共同で20年契約で事業開始。
・発電量は、315万kwh/年 買電8万kwh 売電113万kwh 場内使用210万kwh
・支出は3210万円(ほくでんエナジー社に20年契約で支払う管理費含む)
・収入は4460万円で、差し引き1250万円の利益
・発電には原水を使用しているため、葉っぱやくるみの殻が混じる。メンテナンスは3年ごとの予定だったが、2年に短縮となった。
<現地見学>
 藻岩浄水場の本体の浄水場は、今回、見学の範囲外であったが、札幌が冬期、気温が下がるため、説明を受けた建物の中に設置されている。フランシス水車本体、発電設備を見学した。固いくるみの殻がたまってくると発電効率が落ちるということ。「市民にくるみ拾いのイベントを行っては?」と聞いてみたが、「くるみの木はあちこちに相当あり、熊の食物としても必要なので」ということ。そういえば、熊が里に下りてくる年は、台風で山に食物がないときだったことを思い出した。
 設置のコストを引き算しても、現買い取り価格で黒字になっており、水の落差のある場所を市内で探してみてもいいのではと感じた。

*一番下の写真がフランシス水車です。取水場と浄水場の落差を利用し、水車(巨大なかたつむりのような中に羽根が入っています)を回して発電し、水はそのまま配管によって浄水場(着水井)に運ばれます。これまでのクロスフロー方式では、そのまま着水場に放流しなければならなかったのが、この方式によって高い位置に変更になった着水井に配管で持っていくことができるようになっています。

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