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台湾のお話

昨日、兵庫民社の研修会で、お二人の方のお話がありました。両方とも、興味深いお話だったので、少し紹介します。
一人目は、「台北駐大阪經濟文化辨事處」(台湾と日本は国交がないので、領事館はありませんが、領事館のようなところです。)の所長の黄諸候さん。台湾大学ご出身ということで、台湾の東大卒みたいな感じでしょうか。
中台関係、日台関係のお話に入る前に、台湾の人々が日本に対してどういう認識を持っているかを理解するために、その元となっている歴史について、統治時代にたくさんの日本人が心血注いでダムや鉄道などのインフラを作り、台湾の近代化に資してきたことなどを例をあげて紹介されました。統治時代に台湾に渡った日本人は、いろいろな面でレベルが高かったということをよく耳にしますが、黄所長のお話を聞いて、納得できる気がしました。台湾では、最も親近感を持つ国に、3年連続して日本が選ばれているということです。これは、ドラマの影響もあるんじゃないかと思いますが。
後半は、台湾をめぐる中国、日本、そして、アメリカが絡んでの情勢について、戦後から最近までの動向のお話でした。一時、独立気運が高まった時、中国との関係が最悪になり、その後、馬英九政権による対中政策の路線変更に伴い、緊張が緩んでいる。今後も台湾は、中国とは、経済レベルの交流を活発にして、今の状態を保っていく、というようなお話でした。馬英九の国民党政権は、中国とは近づきつつも、距離を保ち、国内の独立派の感情を害さない、という外交をやっている、というようなお話でした。中国と台湾だけの問題ではなく、アジア全体に絡んでくる問題なので、常に関心を持って動向を見ていく必要が私たちにもあると思います。
後半のお話は、新聞等で大体知っていた内容でしたが、前半のお話は初めて聞くエピソードが多かったです。いただいた観光パンフレットの中に、台湾に住み旅行者で働く日本人女性のコラムがあります。台南のダム建設に寄与した八田興一さんの銅像に触れ、「日本では紹介されることもない戦前の一技師である八田興一氏のことを知られると皆さんとても感動されますよ。」また、行かないといけないなあ、台湾。

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