東京都児童相談センター
最後の日は、東京都が里親の普及に力を入れて取り組んでいるということで、早稲田大学理工学部の前にある東京都児童相談センターにお邪魔しました。現在、NHKの朝の連続ドラマ「瞳」が放送されていますが、この番組の中で、児童相談所がたびたび解説付きで登場します。お聞きすると、NHKからお話があったので、広報活動の一環として協力されているということでした。里親の普及には都を上げて取り組んでいると言うことですが、児童相談所については、人口比としての施設の数、受け入れ定員児童数は不足していて、また、職員の中の年齢構成も、40代、50代が大半を占めているそうで、30代以下の職員は10%程度と言うことでした。都内の虐待の件数は3307件。全国は前年比9%増の40617件ということなので、東京の都会だから特に多いということはないようですが、東京だけでも毎日10件近くの虐待が起きている悲しい状況にあります。東京都の養育家庭は、「ほっとファミリー」という名前がつけられていて、養子縁組を行わずに、子どもさんを養育する一般家庭を指します。(ドラマ「瞳」では、西田敏行さん演じる一本木家がほっとファミリーに相当します。)都全体で社会的に養護が必要な子どもたち3935人のうち、1/4が家庭的養護と呼ばれる環境で養育されていて、その中には、養子縁組の郷大家のほか、ほっとファミリー、養護施設が運営するグループホームなどが含まれています。ほっとファミリーの中で、人数が4〜6人になって、一定の要件を満たすと、「ファミリーホーム」として、個人的なグループホームのような扱いになるそうです。(養護施設の運営するグループホームとは別になります。)が、国もこの「ファミリーホーム」を進めていこうとしていて、事業者としての性格が強く、都の進めてきたものと性格がちがっているため、制度改正が行われると、このギャップをどうするかが課題と言うことでした。
ここの児童相談センターは、一時保護所でもあり、施設の中も見学させていただきました。新宿や渋谷といった繁華街に近いこともあって、不法滞在の外国人の子どもさんたちも保護したりするということ。アレルギーとか、豚が食べられなかったりラマダンがあったりと、対応も大変なようです。もうすぐ新しい場所に移転できるようですが、施設の老朽化は激しく、壁などの補修もほとんど行われていないように感じました。(修理してもすぐに壊してしまうのかもわかりませんが。。)一時保護とはいえ、平均保護日数は35日です。早く移転できることを祈りたいですね。
ほっとファミリー