活動報告その3 半田市・中津川市
続いて7月30日、31日と、愛知県半田市・岐阜県中津川市へと行ってきました。
7月30日 半田市・・・名古屋から電車で40分くらいのところにある町。ごんぎつねの新美南吉の出身地ということで、きつねをモチーフにしたおみやげなども売られています。今回、お邪魔したのは、子育て支援に取り組む市民交流センターと、国の文化財の旧家の町家をそのまま活かして事務所として使われている観光協会です。市民交流センターは、駅前再開発で建てられた「クラシティ半田」というビルの3Fにあります。名鉄「半田」駅を降りて、そのまま渡り廊下のように橋を歩くと、この交流センターに来られるようになっています。交流センターの中心は、子育てサロン(プレイランド)になっていて、立地の良さも手伝って登録会員は約18000名弱(子ども含む)となっています。このほか、一時預かりや様々な子育ての教室が、ボランティアの皆さんの力を借りて運営されていて、当日もたくさんの子どもたちが遊んでいました。プレイランドの使用料は、会員登録時のみということで、ほぼ無料で使えるようです。一人きりで子育てをしなければならないお母さんも多い中、ここにくれば、育児仲間に出会えたり、育児相談にも乗ってもらえたりと、街の子育ての中心になっているようでした。
観光協会では、ユニークな「大番頭」さんや造り酒屋の社長さんに出会い、いろいろなお話をお伺いできました。神戸でも兵庫運河を観光や地域振興に活かそうと、努力中ですが、ここ半田市でも、「半田運河」という運河があって、おもしろい取り組みが行われています。例えば、半田運河は、川沿いに蔵が立ち並び、風情のある景色となっていますが、この運河沿いに、家で眠っている鯉のぼりを並べて夜にライトアップする、というイベントなど。また、明治31年に「カブトビール」の工場として建てられた赤レンガの建物を保存・活用していこうというプロジェクトも進行中です。
写真は、ホームページを参照してください。
http://www.city.handa.aichi.jp/kankoukyoukai/
7月31日 中津川市・・・三菱電機さん(以下は敬称を略します)の中津川工場を訪問し、太陽光発電の現状や今後の課題など、貴重なお話を伺ってきました。太陽光発電の電池生産量は、2006年度まではシャープが1位、ドイツのQ−Cells社が2位、三菱電機も6位に入っていたのが、2007年度ではドイツのQ−Cells社が1位となりました。ドイツの普及政策(太陽光発電の電力を売電時に4倍の価格で買い取り、電力会社がその分を電気料金に上乗せする、という仕組み)によって、ドイツ国内では一気に太陽光発電が広まりました。ドイツの方式では、普及に関しては効果があったのだけれど、太陽光発電を取り入れられる家庭では電気代が安くなりますが、購入できない一般家庭で電気代が更に高くなるという矛盾もあって、格差を生み出し問題になっているということ。三菱電機は生産量そのものは増加していますが、世界では12位に後退したということです。ただし、シリコンの調達の成功有無が生産の鍵を握っているということらしいです。現在、各社がシリコンの使用料の少ないものや他の方式の開発にしのぎを削っているということですが、コスト面と併せて実用的な発電効率となると、まだまだ新しい方式のものがメインにはなっていないようです。太陽光発電は、直流の電気を作りますが、一般には交流電気のため、各家庭で交流に変換します。この変換のためのパワーコンディショナーの変換効率は三菱電機製が業界1位ということです。太陽光発電は今後益々期待される技術であり、政策としても普及させる必要がありますが、太陽光で賄える電力は一部であり、電力のインフラ整備には多大なコストがかかるということも忘れてはいけない点です。現実的には、CO2の少ない原子力発電の安全性を高めていくことをベースにした上で、自然エネルギーの普及を促進させるバランスよい政策が求められると思います。