浅野史郎氏の講演「障害者政策のグランドデザイン」
昨日(8月11日)ひょうご地域福祉施策研究会主催の集会があり、その中で「障害者政策のグランドデザイン」というタイトルで浅野史郎先生の特別講演がありました。前宮城県知事で、都知事選に出たことでも有名な浅野史郎さん、慶応大学で講義を受け持っていらっしゃるだけあって、大変わかりやすく、聴衆を飽きさせない、そして気持ちが伝わる素晴らしい講演でした。(午後からのパネルディスカッションには参加できなかったのですが、多分、議論が盛り上がったことと思います。)
浅野さんは、講演開始の準備中から登場(スタッフの皆さん、驚いてられましたね(笑))し、いきなり話を始めるのです。主に、大学での講義の様子などのお話でしたが、おもしろかったですね。
講演の中で、2004年2月に自ら発せられた「みやぎ知的障害者施設解体宣言」についてのお話がありました。宮城県のホームページで宣言内容を検索してみましたが、見つからなかったので、配布された資料からのものを引用しておきます。質疑の時間の中でも、異論・反対意見も出されるなど、インパクトあるその宣言は、思いも一緒に伝えるものでないと、なかなか真意を理解してもらえないのかもしれないし、誤解を受けるものでもあるのでしょう。でも、哲学としてこうあるべきという姿を追い続ける浅野さんの気持ちは十分伝わってきました。地域で生活してもらおうと言う理想と、現在の状況の中での実現の間には確かに隔たりがあることは確かですが、たとえ100年かかっても哲学として理想を持とうと熱意を持って話されていました。
もうひとつ、あまり関心のない人たち、非専門家の人々をいかに巻き込んでいけるか、コーディネートしていけるかが重要なポイントだとお話されていました。立派で志が高い人がやるものと思われがちだから、多少はみ出しているくらいに見える人がコーディネータとして誘い役をやってもらったほうがいいと。。私とかが、やればいいのかなあ、、などと、ぼんやり考えながらもあっという間の2時間20分でした。