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旧神戸移住センター

旧神戸移住センター、ご存知ですか?元町駅東の鯉川筋をまっすぐ北に上がっていったつきあたりにあります。「国立海外移民収容所」(収容所という名前は違和感がありますが、こう名づけられていました)として昭和3年に建てられた古い建物で、かつて、日本からブラジルなどへ移民する際、移住者はここに宿泊し、予防接種を受けたり、当地の事情など移住に際しての講和を聞いたりして、出航までの時を過ごしました。移住の歴史は、明治元年のハワイ移民にさかのぼります。その後、ブラジルへの移民専用の船「笠戸丸」が初めて神戸の港を出港したのは明治41年、当時、802人もの乗客の中には、契約移住者と呼ばれる781人もの移住者が含まれていました。神戸港から移民船が出港すること、多数の移住者が滞在できる施設ができたことで、移住者の故郷は全国各地にまたがっていましたが、最後に過ごし、船から最後に目にする光景は、ここ神戸となったことになります。
戦後も海外移住は再開され、最後に「海外移住センター」と改称されたあと、昭和46年に役割を終了しました。昭和3年築の古い建物のため、一部使用できない部分もありますが、海外の日系人の団体から、移民の歴史を物語る貴重な建物として保存を訴える声が高く、国立の海外日系人会館として保存整備ができないか、運動が推進されています。
現在は、「芸術と計画会議」C.A.P.と呼ばれるNPO団体が、市から管理を委託されており、移住者の資料展示のほか、オープンスペースのアトリエフロアなどが設けられています。写真は、古さがかえって新しい感じの1Fカフェ、セルポートより出版されている「移住坂」です。

  

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