第2回先端医療の夕べ「がん征圧に向けた取り組み」
市民向けに、下記の2つの講義があり、聴講してきました。せっかくですので、川原田の能力の範囲内で簡単にご紹介します。
1.「神戸から発信する最新がん情報」京大付属病院 福島先生
○アメリカでは1971年に国家がん対策法を定めるなど、30年以上も前から莫大な国費を投入してがんの研究が進められてきた。こうした取り組みにより、がん患者の生存者は72年では300万人だったものが現在は1000万人に増え、早期発見や治療体制などがんでの死亡率を減少させることに成功している。米国国立がん研究所NCIでは、そうして得られた結果をがん情報のデータベースとして集約し、情報提供している。臨床研究情報センターでは、このNCIのライセンスを取って日本語版として提供している。NCIが1ヶ月ごとに更新するのに合わせ、日本語版も追従。神戸からアメリカの最新のがん情報を発信しているということは非常に意味があり価値が高い。今後、市民基金を立ち上げて維持していきたい。
また、診療体制では、「入院から外来へ」ということで、外来で治療できるようになってきている。京大の病院での外来治療センターは、313㎡にベッドが20あり、化学療法(抗がん剤)を外来で行っており、現在1日平均50人以上の患者が通院してきている。副作用の少ない抗がん剤の開発や、吐き気を止める作用のある薬の開発などで、化学療法が進歩してきており、今後こうした外来での治療センターが普及していくであろう。抗がん剤の治療の状況の評価には、NCIの提供している評価基準が使われる。
日本でのがんに対する取り組みは、
1)原因除去
2)早期発見(PETなど)
3)がん情報の正しい知識の普及
4)治療体制の革新
だそうで、先生のお話は3,4についてでしたが、とにかく1)の原因除去で、公共の場からのタバコの追放を訴えられていました。