« 2005年01月 | 活動報告トップへ | 2005年03月 »

旧神戸移住センター

旧神戸移住センター、ご存知ですか?元町駅東の鯉川筋をまっすぐ北に上がっていったつきあたりにあります。「国立海外移民収容所」(収容所という名前は違和感がありますが、こう名づけられていました)として昭和3年に建てられた古い建物で、かつて、日本からブラジルなどへ移民する際、移住者はここに宿泊し、予防接種を受けたり、当地の事情など移住に際しての講和を聞いたりして、出航までの時を過ごしました。移住の歴史は、明治元年のハワイ移民にさかのぼります。その後、ブラジルへの移民専用の船「笠戸丸」が初めて神戸の港を出港したのは明治41年、当時、802人もの乗客の中には、契約移住者と呼ばれる781人もの移住者が含まれていました。神戸港から移民船が出港すること、多数の移住者が滞在できる施設ができたことで、移住者の故郷は全国各地にまたがっていましたが、最後に過ごし、船から最後に目にする光景は、ここ神戸となったことになります。
戦後も海外移住は再開され、最後に「海外移住センター」と改称されたあと、昭和46年に役割を終了しました。昭和3年築の古い建物のため、一部使用できない部分もありますが、海外の日系人の団体から、移民の歴史を物語る貴重な建物として保存を訴える声が高く、国立の海外日系人会館として保存整備ができないか、運動が推進されています。
現在は、「芸術と計画会議」C.A.P.と呼ばれるNPO団体が、市から管理を委託されており、移住者の資料展示のほか、オープンスペースのアトリエフロアなどが設けられています。写真は、古さがかえって新しい感じの1Fカフェ、セルポートより出版されている「移住坂」です。

  

委員会視察#3杉並区障害者雇用支援事業団

東京で、もう1箇所、杉並区にある障害者雇用支援事業団「ワークサポート杉並」が運営するふたつの施設を見学し、お話を伺ってきました。養護学校を卒業して就職したあと、職場に馴染めず仕事をやめてしまうケースがありますが、もう一度職業訓練をしながら、適正のある仕事を見つけていくサポートをする事業団です。この就職のためのサポートですが、「ジョブコーチ」と呼ばれる人が実際に就職先の職場に出向き、まず、その仕事を覚えます。コーチは、個々の特性を見ながら、その人に合わせて、与えられた仕事をこなせるようにいろいろな工夫をして仕事の内容を教え、就職後も、定期的に訪問をして、職場の状況や本人の状況を確認します。軽作業所と、上井草スポーツセンターの中にある喫茶店を見学しましたが、皆さん生き生きと働かれていました。(写真は喫茶店てんとうむしで訓練中のみなさんです)コミュニケーションは苦手だけれど、細かい作業は得意であるとか、あるいはその逆であるとか、ひとりひとりの適正を見て、できる仕事に持っていく、というジョブコーチの業務ですが、「まずはひとりひとりが好きで、愛情を持っていればできます」と、ジョブコーチの方がおっしゃられていたのが印象的でした。
視察とは直接関連しませんが、障害者の自立に向けた新しい試みとして、昨年長田にもオープンした「スワンベーカリー」が話題になりました。アンデルセンのタカキベーカリーの社長さんと、ヤマト福祉財団の理事長さんが中心となって始まったベーカリーチェーンで、障害者の就労や社会参加、特に自立できる賃金を目指して、設立されました。お店はアスタ3号館の中にありますが、パンは舞子ビラのおみやげものやさんにもおいてあります。一度試してみてください。


神戸観光ガイド認定制度

一昨日、活動報告で、東京シティガイド検定のことを紹介し、神戸にも導入できれば、と、書いた次の日の神戸新聞に、「”ミナト神戸通”にお墨付き 市が観光ガイド認定制度導入へ」という記事が掲載されました。私の声が届いた??(んなわけないやろ)とは思っていませんが、あまりにもタイミングがいいので驚きました。報告にも書いていますが、検定を持っていることの優位性や、実際にガイドを必要としている人とのマッチングなど、先行している東京でも課題としていましたので、せっかくの制度が活きるように、市民のアイデアを届けていきたいと思っています。みなさん、ご意見、聞かせてください。

委員会視察#2東京シティガイド検定

最近、京都検定が話題になりました。調べてみると、京都検定は1万人もの方が受検されているようです。1級、2級、3級とあって、1級は筆記以外の試験もあるとか。。本格的ですね。今回、調査に出向いたのは、東京都庁。「東京シティガイド検定」は、財団法人「東京観光財団」が実施しています。一昨年の秋に実施された第1回目の受験者は1000名を超えるものとなりました。うち、合格者数は789名となっています。出題範囲は、ガイドの基礎知識・自然・歴史・政治経済・産業・生活文化・芸術・観光関連施設となっており、語学は別と考えているようです。(語学は別途、通訳検定など)これとは別に、国が「地方限定通訳ガイド制度」の創設を検討しているようで、それによると、地方限定の有料通訳ガイドの業務を認める「地方限定通訳案内士試験」を実施し、全国版の通訳案内士試験は内容を見直し、負担軽減が図られるとあり、H18年度からの実施を検討中のようです。そもそも観光は地域のことになるので、こちらのほうが効率よいのかもわかりませんね。東京シティガイド検定は、初級に合格した人を対象に上級試験があるようです。ボランティアを対象としていることで、検定試験に合格した後の人材の運用や、ニーズとのマッチング、検定に合格したことで得られるメリットなどがもうひとつはっきりしないことなど、課題はありそうですが、地域の文化を知るきっかけにもなり、有意義と思います。こうした課題を検討し、神戸にも導入できればと思います。
左の写真は、観光情報センターに売っていた、都バスのおみやげ。(¥3000のラジコンバスにかなり魅かれましたが。。)
右は、同じくセンターにあった、福笹。各地域の特徴を取り入れていて、写真はちゃんこ鍋とかもくっついているので両国界隈と思われます。

 

委員会視察#1(仙台オープン病院)

仙台市にある仙台オープン病院は、市と地元医師会によって設立された財団法人仙台医療センターによって運営されている、公設民営型の医師会病院です。設立された当時は公設民営方病院は日本で初めてで、背景として、仙台市が開発を行った鶴ケ谷団地に病院が必要なことから、市が仙台医師会に相談をし、設立された経緯があります。現在330床のベッドがあり、患者は、開業医師からの紹介のみを受け付ける(救急は別)システムになっています。病院専門のスタッフ医師と、地元医師会の登録医とで構成されており、県内各地の医療機関から紹介された患者さんがこられるそうです。設立の当初、経営難に陥ったことから、高度医療に取り組み、広く県内からの患者さんを受け入れるようになったということ。現在、隣に新しい病棟を立て、これから移転を行っていく予定。救急の赤字にのみ市から補助を受けているそうです。ちなみに、神戸の震災の際には、救護班を組んで診療に来ていただいていたそうです。それが縁で、今も西神戸医療センターとは勉強会が続いているとか。ありがとうございました。
写真は建設中の新病棟と、運営方針です。

 

月別アーカイブ