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視察#2(コープ神戸食品リサイクル工場)

コープ神戸の食品リサイクル工場は、昨年、多忙な中を菅直人代表がどうしても視察したいと見学された、これからのリサイクル社会のひとつのお手本のような工場です。元々お豆腐やパンなどの食品工場でもあるここの工場では、お豆腐の廃棄物である「おから」が、飼料用として、水気を含んだ状態で業者に引き渡しされていました。引き取ってもらう飼料としての価格は、運搬費用とトントンで、利益は出ていなかったのですが、工場内の熱利用による温風乾燥でこのおからを乾燥することにより、重量・容量減に伴う諸費用が軽減されただけでなく、飼料としての買い取り価格が上昇したことにより、逆に利益が生まれるといったメリットが出ているとのことです。また、食品廃棄物等のいわゆる、工場から出る生ごみを元にメタンガスを発酵させ、これを燃料にして発電を行うシステムも導入(写真の系統図参照)され、工場内の電気供給の一部に用いられています。いろいろな廃棄物は、通常、ビニール等の袋に入っていたりしますが、これを自動で分別する装置も開発されています。ほとんどうまくいっているそうですが、この装置に、お餅やみたらしだんごの廃棄物が混じるとき、装置の壁などにくっついてトラブルが発生するのが悩みということでした。ここの工場での食品リサイクル率は96%となり、これからの食品リサイクル法に向けて優等生の工場です。メタンガスの発電システムは、海外のメーカーの特許が用いられているということでしたが、伊万里市で見学した、生ごみを原料にした有機堆肥生成と比較すると、場所をとらないこと、においがしないこと、生成物が電気となりその後の利用(堆肥では運搬や販売が必要)が楽なこと、などから、都市部での生ごみリサイクルのモデルケースとなっていくのでは思いました。ただし、ここの工場のようにすべて限られた材料、敷地内でのリサイクルなど有利な条件がそろっていたわけですが、今後、一般ごみ等への応用となると、かなりの問題を克服する必要があります。また、現時点でも可燃ごみを焼却して電気が得られているということもあり、社会全体で、最も効率よい循環システムを考えていかなければなりませんね。


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